おんやど惠
【温泉についての情報開示】
「おんやど惠」は源泉を所有しております。
おんやど惠は源泉(53号源泉・梅の湯・湯河原町宮上538-2・持分3分の2)を所有しております。更に、民間の温泉供給会社との間でも供給契約を締結して毎分一定量を購入しており、合計で毎日72トンの温泉を使用する権利を保有しております。
湯河原温泉では、限られた温泉資源の有効利用を目的として、「湯河原町営温泉集中管理給湯システム」という形で、温泉のお湯を共同利用しております。源泉毎、旅館毎に温泉用パイプを配管すると町中がパイプだらけになってしまい、無駄も多くなります。それらを避けるために、色々な源泉からの温泉を町営の給湯システムに一旦集めてから、各地に配湯します。
前述の源泉は、当館から約1kmの場所にありますが、こういった事情により、直結しているわけではありません。実際に配湯を受けている町営宮上配湯所は、道路を隔てた真向かいです。
泉温についても、当館所有の源泉は、83.4℃(平成18年4月26日、小田原保健所温泉課による計測)程度ですが、町営温泉システムから配湯される際の温度「65.5℃」を泉温として表示しております。
大浴場・露天風呂・足湯では、循環濾過装置を使用しております。
大浴場、露天風呂に関しては、新鮮な温泉を「たし湯」しながら循環濾過も行っており、一般的には「半循環方式」とか「放流・循環併用方式」などと表現されている形態です。
何人もの方がご入浴なさると、浴槽のお湯が汚れることは、ご理解いただけると思います。毛髪、垢、皮脂といった人体からの分泌物や、埃、粉塵などのうち、比重の小さな物は浴槽の淵から溢れ出ますが、比重の大きな物は沈殿したままになってしまいます。浴槽内に人為的に対流を発生させて、撹拌しながら沈殿物を取り除くことが、本来の循環濾過装置の趣旨です。溢れ出るように見せかけながら、排水すべきお湯を浴槽内に戻し入れる、いわゆる「再利用目的の循環装置」とは異なります。当館では、浴槽の淵から溢れ出たお湯は全て排水しており、再利用はしておりません。浴槽から溢れ出る湯量から、新鮮な温泉を豊富に「たし湯」していることがご理解いただけると思います。
尚、当館の大浴場、露天風呂で使用している装置は、物理濾過方式で、幾層にも重ねた砂で汚れを取り去るものです。神奈川県の指導では、この濾過砂の逆洗(濾過装置の一部を逆流させて汚れを排出)に関して「1週間に1回以上行う」とされておりますが、当館では毎日「1日に2回」行い、よりよい衛生状態を維持するようにしております。深夜〜早朝やお昼前後にご入浴なさる場合、一時的に浴槽の水位が下がっているのは、この逆洗によるものです。「たし湯」により、徐々に水位は元に戻り、浴槽の淵から溢れ始めます。
全てのお湯を抜いて浴槽を洗浄した上での全換水も、頻繁に行っておりますので、安心してご利用ください。
温度調整のために加水しております。
湯河原温泉には高温の源泉が多く、当館にも60〜65度程度の高温で配湯されています。このため、やけどなどの危険防止や、浴槽温度の過上昇防止を目的として、真冬で「温泉9:水道水1」程度、真夏で「温泉7:水道水3」程度の割合で、水道水を加水して温度調整を行っております。混合比率は気温や水温によって変動しますが、増量を目的とした加水ではございません。
尚、工事による一時的な温泉配湯の停止など、突発的な温度低下を考慮して、浴槽水を加温する設備も保有してはおります。しかしながら、通常は高温の温泉を「たし湯」することにより適温を維持しており、加温は行っておりません。
大浴場・露天風呂では、塩素滅菌を行っております。
保健所からの行政指導により、レジオネラ属菌などの繁殖を防止するため、循環濾過装置を使用する浴槽については、定期的な塩素滅菌を行っております。行政指導の基準では、遊離残留塩素濃度を「2時間以上0.2〜0.4mg/Lに保つ」となっておりますが、当館では万全を期すために、2mg/L程度の高濃度の状態を2時間以上維持して滅菌しております。
その後、残留塩素の人体への悪影響を避けるため、チオ硫酸ナトリウムを主成分とする脱塩素剤(いわゆる「ハイポ」)を投入することにより、塩素を中和するとともに、大量に新鮮な温泉を注入して、残留塩素濃度を著しく低下させた状態でご入浴いただいております。午後の早い時間にご入浴なさると、若干の塩素臭が残っていることもございますが、浴槽のお湯自体は、レジオネラ属菌が検出されない衛生的な状態であるのはもちろんのこと、塩素もほとんど残留しておりませんので、安心してご入浴ください。
別邸の4浴槽は「温泉かけ流し」です
2ヶ所の貸切風呂と露天風呂付客室2部屋に関しては、ご利用人数が限定されるため、循環濾過装置を設置していない、いわゆる「温泉かけ流し方式」です。
尚、温泉100%で張り込みやたし湯を行うと高温になり過ぎてしまうので、温度調整のために加水しております。また、ご利用なさるお客様ご自身で温度調整などを目的に「常温の水道水」や「加熱した水道水」を加えることもできる設備となっております。このため、浴槽内のお湯に関しては、天然温泉100%ではありません。
シャワー・カラン、本館客室のお風呂は、温泉ではありません。
大浴場(男女各1)、露天風呂(男女各1)、貸切風呂(2ヶ所)、別邸の専用露天風呂付客室(2室)、足湯の各浴槽のみ、温泉給湯です。
いずれも、シャワーやカランは、水道水を沸かして供給しております。また、本館客室のお風呂に関しては、浴槽も含めて温泉ではなく、水道水を沸かして供給しております。
私たちは、お客様の「快適」を徹底的に追求します。
良質な湯河原の温泉で、お客様が安全かつ快適に、安心して身も心も癒していただけるように、私たちは強い使命感をもって、温泉の衛生管理に取り組んでおります。
湯河原温泉は、今から約1200年前に編纂されたという万葉集にも詠われたほど、歴史ある温泉保養地です。現在利用している温泉は、一説には数十年前に箱根連山に降り注いだ雨とも言われております。長い年月をかけて地下深く染み込み、地中の様々な成分を含んで、無色透明で効能豊かな良質の温泉となったものです。天からの恵みを母なる大地が育んだ、この大自然からの限りある贈り物を後世まで守り伝えていくために、これからも私たちは最大限の努力を続けてまいります。
おんやど惠(株式会社惠)
代表取締役社長
室伏 学
(建築物環境衛生管理技術者)
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